売上の低いレースに穴の妙味はあるのか? 一年分の人気順位と回収率を再検証
以前、売上の低いレースを対象に、三連単の人気順位と回収率の関係を半年分のデータで調べました。
そのとき確認できたのは、売上が少ないレースであっても、人気下位の舟券ほど回収率が高くなるわけではない、という結果でした。
ただし、半年間だけの集計では、たまたまその期間に偏った結果が出ていた可能性も否定できません。
そこで今回は、JSONデータのデコード処理を高速化できたこともあり、検証期間を2025年8月1日から2026年7月31日までの一年間へ拡張。
改めて、売上の低いレースにおける人気順位と回収率の関係を調べました。
さらに今回は、人気順位別の集計だけでなく、的中した舟券の1着艇が何号艇だったのかまで細かく分解しています。
今回の検証内容
- 対象期間:2025年8月1日~2026年7月31日
- 対象券種:三連単
- 対象:売上の低いレース
- 集計単位:レース売上クラス別
- 各人気順位の生起回数、生起割合、回収率を集計
- 各人気順位を、1着艇の枠番別に分解
本記事で使用する「売上」は、公的に発表された売上額ではなく、取得したオッズなどから算出した推定値です。
手持ちの環境では、おおむね実際の売上規模を捉えられていると考えていますが、まれに大きな誤差が生じるケースも確認されています。そのため、売上クラスは厳密な金額ではなく、レース規模を分類するための目安として扱っています。
以前の半年検証を、一年間へ拡張
今回の一番の目的は、以前の半年検証で確認された傾向が、集計期間を一年間へ延ばしても維持されるのかを確かめることです。
売上の少ないレースでは、参加者が少ない分だけオッズに歪みが生じ、人気薄の舟券に妙味が残りやすいのではないか。
そのような可能性を期待していましたが、一年間へ拡張した結果は、以前の半年検証と非常によく似たものになりました。
人気上位の舟券ほど比較的回収率が高く、人気順位が下がるほど回収率も低下していく。
細かな上下はあるものの、全体としては極めて素直な階段状の傾向です。
年間でも人気下位ほど回収率は低下
比較的レース数を確保できた売上600万円、800万円、1,000万円クラスを見ると、人気帯ごとの回収率はよく似た形になりました。
| 売上クラス | 人気1~5位 | 人気6~10位 | 人気11~20位 | 人気21~40位 |
|---|---|---|---|---|
| 600万円クラス | 約78% | 約80% | 約78% | 約72% |
| 800万円クラス | 約79% | 約76% | 約74% | 約71% |
| 1,000万円クラス | 約78% | 約80% | 約72% | 約71% |
人気1~10位付近では、おおむね76~80%前後。
人気11~20位になると72~78%前後へ低下し、人気21~40位では、いずれの売上クラスも約71%前後となりました。
特に人気21~40位では、売上クラスが異なるにもかかわらず、回収率が驚くほど近い値に収まっています。
売上が少ないレースだからといって、人気薄の舟券が過小評価され、回収率が上昇するような傾向は確認できませんでした。
人気順位を1着枠別に分解
ただし、「人気何位だったか」だけでは、その舟券がどのような組み合わせだったのかまでは分かりません。
例えば同じ人気10位でも、
- 1号艇が1着の舟券
- 2号艇が1着の舟券
- 3号艇が1着の舟券
- 4~6号艇が1着の舟券
では、舟券の性格が大きく異なります。
そこで今回は、各人気順位の回収率を、的中した際の1着艇別に1~6号艇へ分解しました。
人気上位の回収は1号艇頭が支えている
まず人気1~5位を見ると、全体回収率と、そのうち1号艇が1着だった舟券による回収率寄与は次のようになりました。
| 売上クラス | 全体回収率 | 1号艇1着の回収率寄与 |
|---|---|---|
| 600万円クラス | 78.1% | 55.8% |
| 800万円クラス | 79.4% | 55.6% |
| 1,000万円クラス | 78.3% | 55.3% |
三つの売上クラスで、ほとんど同じ結果となりました。
人気1~5位の全体回収率は約78~79%。そのうち約55%分が、1号艇を1着とする舟券から生じています。
つまり、人気上位舟券の払戻しの多くは、やはり1号艇の1着によって支えられていることになります。
人気6~10位でも構造はほぼ同じ
人気6~10位では、1号艇が1着となる割合は少し低下します。
| 売上クラス | 全体回収率 | 1号艇1着の回収率寄与 |
|---|---|---|
| 600万円クラス | 79.8% | 44.3% |
| 800万円クラス | 76.3% | 43.7% |
| 1,000万円クラス | 79.6% | 44.7% |
それでも、全体回収率の半分以上は1号艇頭の舟券から生まれています。
こちらも売上クラスによる違いは小さく、年間を通して非常に安定した構造となりました。
人気順位が下がるほど1着枠は分散
人気11~20位では、1号艇頭による回収率寄与は次のように低下します。
| 売上クラス | 全体回収率 | 1号艇1着の回収率寄与 |
|---|---|---|
| 600万円クラス | 77.9% | 30.1% |
| 800万円クラス | 73.8% | 29.6% |
| 1,000万円クラス | 72.0% | 25.8% |
この人気帯になると、2~4号艇が1着となる舟券の比重が増え、回収率の発生源が複数の枠へ分散し始めます。
さらに人気21~40位では、1~4号艇の回収率寄与がかなり近づきました。
例えば売上800万円クラスでは、人気21~40位の回収率寄与は次のようになっています。
| 1着艇 | 回収率寄与 |
|---|---|
| 1号艇 | 15.6% |
| 2号艇 | 15.2% |
| 3号艇 | 14.8% |
| 4号艇 | 15.0% |
人気順位が下がるにつれ、1号艇中心だった舟券から、2号艇、3号艇、4号艇、さらに外枠頭の舟券へと、滑らかに分散していることが分かります。
外枠頭が増えても回収率は改善しない
ここで重要なのは、人気順位が下がり、外枠頭の舟券が増えたからといって、回収率が改善しているわけではないことです。
むしろ全体回収率は、人気順位が下がるにつれて低下しています。
- 人気1~10位:おおむね76~80%
- 人気11~20位:おおむね72~78%
- 人気21~40位:おおむね71%前後
- 人気41位以降:さらに低下する傾向
外枠頭の舟券は、的中した際の配当が高くなりやすい一方で、発生確率そのものが低くなります。
今回の結果を見る限り、その発生確率の低さまで含めて、オッズにはかなり正確に織り込まれているようです。
「外枠頭だから高配当」「高配当だから妙味がある」と単純には判断できません。
売上クラスが違っても構造がよく似ている
今回、個別の高回収率以上に印象的だったのは、売上600万円、800万円、1,000万円クラスで、人気帯別・1着枠別の構造が非常によく似ていたことです。
人気上位では1号艇頭の舟券が回収の大部分を占め、人気順位が下がるにつれて各枠へ分散する。
そして各枠へ分散しても、人気下位の全体回収率は上昇しない。
集計対象や売上規模が変わっても、同じような形が再現されました。
この安定性を見ると、低売上レースのオッズだけが大きく非効率になっているとは考えにくい結果です。
400万円クラスの高回収率には注意
売上400万円クラスでは、一部の人気順位で100%を超える回収率も確認されました。
例えば人気10位や11位は100%を超え、さらに人気84位では非常に大きな回収率が記録されています。
ただし、売上400万円クラスの対象は460レースです。人気84位の的中は、わずか1回でした。
一度の高額配当によって回収率が大きく跳ね上がった数字を、その人気順位が恒常的に有利である証拠と考えることはできません。
金鉱を掘り当てたというより、今のところは大きな金色の石が一個落ちていたという程度でしょう。
対象レースが少ない売上クラスについては、今後さらに期間を延ばして検証する必要があります。
低売上レースに穴の妙味はあったのか
売上の低いレースでは、投票参加者が少ないため、人気薄の舟券にオッズの歪みが残りやすいのではないか。
その仮説を一年分のデータで再検証しましたが、今回も明確な優位性は確認できませんでした。
人気上位では1号艇頭の舟券が回収を支え、人気順位が下がるにつれて1着艇は各枠へ分散します。
しかし、外枠頭の高配当が増えても、それ以上に的中頻度が低下するため、全体回収率はむしろ下がっていきました。
少なくとも今回の条件では、
低売上レースだから人気薄に妙味がある
という単純な傾向は確認できませんでした。
今回のまとめ
- 以前の半年検証を、2026年7月31日までの一年間へ拡張した
- 年間でも、人気順位が下がるほど回収率が低下する傾向が確認された
- 人気上位の回収率は、主に1号艇頭の舟券によって支えられていた
- 人気順位が下がるにつれて、1着枠は1号艇から各枠へ分散した
- 外枠頭の舟券が増えても、全体回収率は改善しなかった
- 売上600万~1,000万円クラスでは、非常によく似た構造が再現された
- 対象数の少ない売上400万円クラスの高回収率は、偶然の影響に注意が必要
今回の検証では、残念ながら分かりやすい「低売上レース攻略法」は見つかりませんでした。
しかし、半年から一年へ期間を延ばしても同じ傾向が維持されたこと、さらに1着枠別に分解しても売上クラス間でよく似た構造が確認されたことは、十分に興味深い結果だと考えています。
都合のよい高回収率だけを拾うのではなく、安定して再現される構造を一つずつ確認する。
これもまた、ボート君の研究です。
検証データのダウンロード
今回の検証に使用した集計データを公開します。
- 売上と人気の年間統計
- 売上クラス毎・枠番毎回収率
集計結果の確認や、独自の視点による再検証などにご利用ください。
なお、掲載データおよび分析結果は、将来の舟券成績や利益を保証するものではありません。舟券の購入は、ご自身の判断と責任の範囲でお楽しみください。

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